RSIとは?

RSI(相対力指数)は、「ADX」や「パラボリック」などを考案したJ.W.ワイルダー氏によって開発されたテクニカル指標です。
正式名称は「Relative Strength Index」で、主に相場が買われすぎか売られすぎかを見極めるために使われます。

RSIはサブチャートに表示され、一定期間内の価格変動の中で、上昇した値動きの割合を0%〜100%の数値で示す指標です。
一般的には、この値が70%を超えると「買われすぎ」、30%を下回ると「売られすぎ」と判断されます。
この指標は、ラインがどの水準にあるかを見ることで相場の過熱感を把握できるため、相場の状態を視覚的に理解しやすく、初心者にも扱いやすい人気のテクニカル分析ツールです。
RSIの計算方法
RSIは、以下の計算式で求められます。
一定期間(14日間)の上昇幅の合計÷(一定期間(14日間)の上昇幅の合計+一定期間(14日間)の下落幅の合計)×100
つまり14日間(デフォルト値)の値動きを上昇と下落に分け、上昇が全体の何%だったかを求めるというものです。
例えば14日間の上昇幅の合計が10円、下落幅が5円とします。上記計算式に当てはめると、
10 ÷(10+5)× 100 = 66.6% |
RSIは66.6%と表示されます。
RSIの期間設定(パラメーター)
RSIの期間設定には明確なルールはありませんが、一般的には「14日間」がよく使われます。
これはRSIを考案したJ.W.ワイルダー氏の研究に基づいており、あらゆる現象には「28日周期」があるとされていることから、その半分である14日間が採用されたといわれています。
多くの取引ツールでも、RSIの初期設定(デフォルト)は「14日間」となっているのが一般的です。
そのため、特にこだわりがなければ、パラメーターを変更せずにこのデフォルト設定のままで問題ありません。
RSIの使い方
RSIの基本的な使い方は、以下の2通りです。
- 相場が買われすぎか売られすぎかを判断する
- ダイバージェンス
相場が買われすぎか売られすぎかを判断する

一般的に、RSIの値が70%を上回ると「買われすぎ」と判断され、売りサインとされます。
反対に、30%を下回ると「売られすぎ」と判断され、買いのサインとされます。
たとえば、相場が上昇トレンドにある場合、RSIが70%を超えていなければ、さらなる上昇が期待でき、70%を超えていればトレンドの反転が近い可能性があると分析することができます。
このように、RSIを活用することで、トレンドが継続するのか、それとも転換するのかを見極める手がかりになります。
ダイバージェンス
価格が直近の高値または安値を更新しているにもかかわらず、RSIがそれに追随せず更新されないような動きを「ダイバージェンス(逆行現象)」と呼びます。
この現象は、相場のトレンドが転換する可能性を示唆するサインとして知られています。

上記チャートは、上昇トレンド中にダイバージェンスが発生したパターンです。
下降トレンドへの転換が予想され、売りサインと判断します。
反対に、下降トレンド中にダイバージェンスが発生すれば、上昇トレンドへの転換が予想され、買いサインと判断します。
ダイバージェンスが発生した時は、トレンド転換の可能性が高いと意識するようにしましょう。
RSIのデメリット
RSIにはトレンド転換を分析できるメリットがある反面、注意すべきデメリットもあります。
強いトレンド発生中の「ダマシ」に注意
RSIは一般的に、トレンド転換を分析するために用いられますが、強いトレンドが発生するとRSIは70%以上で張り付き、価格はどんどん上昇するといった現象が起こることがあります。

上記チャートでは、RSIが70%以上で買われすぎの売りサインが出ていますが、70%以上で張り付き、価格はどんどん上昇しています。
このように、強いトレンドが発生すると、RSIの売買サインが「ダマシ」となる可能性があります。
RSIと他のテクニカル指標を組み合わせたトレード手法
「ダマシ」対策として、RSIと他のテクニカル指標を組み合わせる方法があります。
RSIとMACDを組み合わせたトレード手法
RSIとの組み合わせが有効なものの一つにMACDがあります。
MACDには「MACDライン」と「シグナルライン」という2本の線があり、MACDラインがシグナルラインを下から上へ抜けた場合を「ゴールデンクロス」といい、買いサインとされます。
反対に、上から下へ抜けた場合を「デッドクロス」といい、売りサインとされます。
RSIに加え、MACDの売買サインも確認して判断することで、相場分析の精度を高めることができます。

RSIとボリンジャーバンドを組み合わせたトレード手法
RSIとボリンジャーバンドの組み合わせも有効な手法の一つです。
ボリンジャーバンドは、単純移動平均線とその上下に配置されたバンドによって、価格の方向性や変動の大きさを視覚的に把握できるテクニカル指標です。

上記チャートでは、価格が上昇しているのに対しRSIは下降する「ダイバージェンス」が発生しています
また、価格がボリンジャーバンドの+2σに達しており、相場の過熱感が高まっていることが読み取れます。
これらのサインから、上昇トレンドが終わり、下降トレンドへ転換する可能性を読み取ることができます。
RSIまとめ
RSIは、買われすぎ売られすぎといった相場の過熱感を分析するうえで有効な手段といえますが、絶対ではないため過信は禁物です。
そのため、RSIを使った売買を行う場合は、損切り基準に達した時点でしっかりと損切りするようにしましょう。
また、誤った判断を避けるためには、他のテクニカル指標やファンダメンタルズ分析を併用し、複数の条件を照らし合わせながら総合的に判断することが大切です。

RSIは、他のテクニカル指標と組み合わせて使うのがおすすめだニャ。