グランビルの法則

グランビルの法則とは?

グランビルの法則は、米国のアナリスト「ジョゼフ・E・グランビル」氏によって提唱された相場理論です。
移動平均線の傾きや価格との位置関係をもとに、売買タイミングを判断するものです。

グランビルの法則に基づく8つの売買タイミング

グランビルの法則 8つの売買タイミング

グランビルの法則では、上記8つのタイミングで売買サインを読み取ります。

買いサイン①上向きまたは横ばいの移動平均線を価格が下から上へ抜けた場合
買いサイン②上向きの移動平均線を価格が一時下抜けた後に、再度上抜けた場合
買いサイン③上向きの移動平均線の近くまで価格が下落し、移動平均線を下抜けることなく再度上昇した場合
買いサイン④価格が下向きの移動平均線の下に大きく乖離した場合
売りサイン⑤上昇から横ばいまたは下向きに転じた移動平均線を、価格が上から下に抜けた場合
売りサイン⑥下向きの移動平均線を価格が一時的に上抜けた場合
売りサイン⑦下向きの移動平均線の近くまで価格が上昇し、移動平均線を上抜けることなく再度下落した場合
売りサイン⑧価格が上向きの移動平均線の上に大きく乖離した場合

グランビルの法則で使用する移動平均線の期間

グランビルの法則で使用する移動平均線の期間に明確なルールはありません。
しかし、この法則を提唱した「ジョゼフ・E・グランビル」氏は、200日移動平均線が最も信頼性が高いと述べています。
多くのトレーダーが使っている期間であることからも、200日移動平均線を使用するのがおすすめです。

グランビルの法則で使用する時間足

グランビルの法則でどの時間足を使うかは、取引スタイルによって異なります。
ただし、まだ取引スタイルが定まっていない場合は、まず日足から試してみるのがよいでしょう。
グランビルの法則は前述した200日移動平均線と、日足チャートを組み合わせて分析するのが一般的です。
他の設定を使うことも可能ですが、初心者の方はまず基本的な手法から始めることをおすすめします。

グランビルの法則を活用するうえでのポイント

グランビルの法則の売買サインを、実際の米ドル/円 日足チャートを使ってみてみましょう。
※移動平均線は、200日移動平均線を表示しています。

米ドル/円 日足チャート グランビルの法則 買いサイン①

上記は、買いサイン①「上向きまたは横ばいの移動平均線を価格が下から上へ抜けた場合」のパターンです。
買いサイン①の後、価格が上昇しています。
買いサイン①は移動平均線を価格が抜けたところでエントリーするため、タイミングを計りやすく、グランビルの法則の中では比較的難易度の低い売買サインといえます。

米ドル/円 日足チャート グランビルの法則 買いサイン②、買いサイン③

次に買いサイン②と買いサイン③をみてみましょう。
まず、買いサイン②「上向きの移動平均線を価格が一時下抜けた後に、再度上抜けた場合」が現れ、その後上昇しています。
そしてその後、買いサイン③「上向きの移動平均線の近くまで価格が下落し、移動平均線を下抜けることなく再度上昇した場合」の展開となり、上昇しています。
買いサイン②買いサイン③は、上昇トレンド中の押し目やその後の反発を待ち、トレンドの継続を確認する必要があるので、やや難易度は高いといえます。

米ドル/円 日足チャート グランビルの法則 売りサイン⑤、売りサイン⑧

次は、売りサイン⑤、売りサイン⑧です。
まず、売りサイン⑤「上昇から横ばいまたは下向きに転じた移動平均線を、価格が上から下に抜けた場合」は、前述した買いサイン①の逆パターンともいえる内容で、移動平均線を価格が抜けたところでエントリーするため、タイミングを計りやすく、比較的難易度の低い売買サインといえます。
売りサイン⑧「価格が上向きの移動平均線の上に大きく乖離した場合」は、上記チャートのような位置でうまくショートエントリーできれば、比較的大きな利益を狙えます。
しかし、上昇トレンド中に逆張りの売りポジションを持つため、ショートエントリーのタイミングが計りづらいことや、思惑通り下落せず上昇トレンドが継続してしまった場合に、大きな損失につながる可能性もあります。
よって、難しい売買サインといえます。

米ドル/円 日足チャート グランビルの法則 買いサイン④、売りサイン⑥、売りサイン⑦

買いサイン④、売りサイン⑥、売りサイン⑦もみてみましょう。
売りサイン⑥「下向きの移動平均線を価格が一時的に上抜けた場合」と、売りサイン⑦「下向きの移動平均線の近くまで価格が上昇し、移動平均線を上抜けることなく再度下落した場合」の後、価格が下落しているのがわかります。
しかし、売りサイン⑥売りサイン⑦は、前述した買いサイン②、買いサイン③に近い逆パターンのような内容で、下降トレンド中の戻りやその後の反落を待ち、トレンドの継続を確認する必要があるため、やや難易度は高いといえます。
買いサイン④「価格が下向きの移動平均線の下に大きく乖離した場合」も、前述した売りサイン⑧の逆パターンともいえる内容で、難しい売買サインといえます。
上記チャートのような位置でうまくロングエントリーできればいいのですが、下降トレンド中に逆張りの買いポジションを持つため、ロングエントリーのタイミングが計りづらいことや、思惑通り上昇せず下降トレンドが継続してしまった場合に大きな損失につながる可能性もあります。
よって、注意が必要となります。

米ドル/円 日足チャート グランビルの法則 売りサイン⑧ 失敗パターン

最後に、損切りが必要な失敗例をみてみましょう。
上記チャートは、売りサイン⑧「価格が上向きの移動平均線の上に大きく乖離した場合」に該当する状況になっていますが、その後下落せず、大きく上昇してます。
もし売りポジションを保有している場合は、損失拡大を避けるための損切りが必要になります。

簡単 買いサイン① 売りサイン⑤
やや難しい 買いサイン②、③ 売りサイン⑥、⑦
難しい 買いサイン④ 売りサイン⑧

グランビルの法則まとめ

グランビルの法則は、売買タイミングを計るうえで有効なテクニカル分析といえますが、絶対ではないため過信は禁物です。
そのため、グランビルの法則を使った売買を行う場合は、損切り基準に達した時点でしっかりと損切りするようにしましょう。
また、誤った判断を避けるためには、他のテクニカル指標やファンダメンタルズ分析を併用し、複数の条件を照らし合わせながら総合的に判断することが大切です。

パテピゲ・タンタン
パテピゲ・タンタン

買いサイン①と売りサイン⑤は、比較的簡単なのでおすすめです。